UCIでの留学生活

はじめに

研究留学Advent Calendar 2017 12日目の記事です。

アメリカのUniversity of California, Irvine (UCI) のPh.D. programに今年から留学しております、中塚義道と申します。

今回はアメリカに留学して感じた、日本とアメリカの様々な違いについて書きたいと思います。

まず、Advent Calendarのテンプレに沿って始めたいと思います。

私は大学一年の頃から「大学院に進学するんだったら海外留学したいな」と考えておりました。大学四年になったときに親友から「挑戦するなら今だよ」と背中を押され、散々悩んだ結果ダメ元で応募し、今の大学に進学することになりました。この話についてはまた機会があれば書き起こしたいです。

UCIの中心部に位置するAldrich Park。自然豊かなキャンパスです。

さて、本題に移りたいと思います。

1. アメリカに来て、「日本と違ってていいなー」と思ったこと

1-1. 授業に関するサポートが手厚い

授業の規模にもよりますが、40人前後のクラスになるとアメリカではTA (Teaching Assistant) がつきます。わからないことがあったら教授に質問をすることが王道ですが、TAは教授と比べて学生と年齢が近いこともあり、気軽に質問をする事ができます。

また、UCIでは電子掲示板が授業に設けられることがあります。試験の日程、重要な連絡事項、宿題の提出、宿題の返却やディスカッションなどができて便利なシステムです。

1-2. TA、就職など授業以外に関する大学のサポートも手厚い

授業における大学のサポートが手厚いことは上でも述べましたが、アメリカの大学はTA、就職、生活面、精神面に関するサポートも手厚いと感じました。

例えばTAの場合ですと、UCIでは秋学期の初めにTAトレーニングという2日間丸々かけて良いTAになるための講習があります。また、UCIにはキャリアセンターという施設があり、そこではレジュメの書き方やインタビューの講習が行われていたり、アドバイザーが無料でキャリア相談に乗ってくれたりしてくれます。他にも大学院生のサポートセンターやカウンセリングセンターなど学生の様々なニーズに応えてくれる施設があり、心強い環境となっています。

1-3. 大学のシステムがフレキシブルである

日本の大学だと学事に問い合わせても「前例がないので難しいです」とはねられるようなことでも、アメリカの大学だと案外大丈夫であることがあるようです。

例えば私は中島記念国際交流財団から奨学金を頂きながらUCIに通っているのですが、奨学金の仕組みがやや特殊であるため、UCI側に色々と調整してもらう必要がありました。この調整はかなり特殊らしく過去に例がないと言われ、一瞬大丈夫かなと思いましたが、なんとか調整をして頂けることができました。

1-4. 日本の食材が意外と手に入る

日本よりもいいなーということではないですが、アメリカのスーパーで日本食がこれほど充実しているとは思ってなかったです。味噌、醤油、ポン酢などの調味料、大根、白菜、なす、もやしなどの野菜が近くのスーパーで売られているのを見かけたときは感動しました。

近くのスーパーにあった味噌。赤と白まであるとは思っていなかった…

また、Irvineには大きな日本人コミュニティがあるらしく、車を飛ばせばしゃぶしゃぶ、お好み焼き、すき焼きなどを扱っているお店に行くこともできます。

2. アメリカに来て、「日本の方がいいなー」と思ったこと

2-1. アメリカは車がないと色々と不便する

アメリカはAmazonやUberなどが充実しているので車を持っていないだけで生活に支障がでることはないです。

ただ、日本のようにふらっと出かけて気軽に色んなお店でショッピングをしたり外食をしたりするにはやはり車が必要です。例えば私の住んでいる場所から徒歩圏内にあるお店はとても限られており、車を持っていればYelpで検索して色んなお店に行くことができるのにな〜と思うことが何度もあります(トホホ…)。

2-2. 指導教官を下の名前で呼ぶ習慣がある

これは今でも慣れないです。

研究室に配属された当初は周りが下の名前で指導教官を呼んでいる中、私は頑なにProf. + 名字で呼んでいました。が、流石に周りに合わせないとと思い、少し経ってから下の名前で呼ぶように変えました。

ただ、これも研究室によるらしく、何人かのPh.D.の友達はProf. + 名字で指導教官を呼んでいるそうです。

指導教官を下の名前で呼ぶこととは…

2-3. 学部で研究する人はほとんどいない。修士でも研究する人は稀。

私が日本で通っていた大学の理工学部生は学部4年になると研究室に所属して研究をすることが必須でしたし、修士も研究することを目的に研究室に入るようなものでした。ですので、アメリカの学部生はおろか、修士の学生も研究をほとんどしないと知ったときは驚きました。

ただ研究をすることが求められていないだけで、学部生でも興味のある研究室に顔を出したり院生の研究を手伝ったりすることはOKなようです。

2-4. 英語には「お疲れ様」に相当する言葉がない

日本だと「お疲れ様」を多用しがちで時々違和感を感じることがありますが、そもそも英語には「お疲れ様」がないので、友達が「疲れたー」って言ったときに何と返せばいいのかわからず、今でも戸惑います。

なので、知り合いに”Omotenashi”ならぬ”Otsukaresama”の概念を広めようと一人で画策中です(笑)。

おわりに

拙い文章にお付き合い頂き、ありがとうございました。

これから5年以上の長い歳月をかけてPh.D.を取得するわけですが、研究生活、学生生活の両方を楽しみつつ学位取得に向かって少しずつ前に進めたらと考えております。

最後になりますが、研究留学アドベントカレンダーを企画して下さった@keihiguさん、UCIへの留学を可能にしてくださった方々への感謝をこめて終わりたいと思います。